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平成27年度 静岡県獣医臨床研究会 共同研究発表 その1 2015/03/15
テルミサルタンは、イヌのサルコぺニア-フレイルに有効である
◯土井 公明1)、樋渡 敬介2)、水野 理介3)、横須賀 誠4)

1)どいペットクリニック(藤枝市)、2)御殿場インター動物病院(御殿場市)
3)東大大学院農学生命科学研究科獣医薬理学教室
4)日獣大獣医学部獣医学科病態獣医学部門病態解析学分野
Japan Veterinary Microcirculation Research Center (JVMRC)

【はじめに】最近、コンパニオンアニマルの超高齢(化)は、社会を取り巻く様々な臨床獣医学的問題を発生させる事が顕在化してきた。すなわち、老年症候群の一つであるサルコペニア-フレイルは、動物のみならず飼い主に多大な精神的肉体的負担を強いることである。サルコペニア-フレイルは、骨格筋や神経反射の衰えが進行し、精神活動の変化を併発することが知られている。ヒトのサルコペニア-フレイルにおいては、早期治療介入によって予防や顕著な回復が認められ、要介護までの期間延長が可能である事が明らかとなってきた。今回我々は、アンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体阻害薬であるテルミサルタンは、イヌのサルコペニアーフレイルに対して有効である事を確認したので報告する。
【症例】後肢筋肉量減少、四肢不全麻痺ならびに瞬発力低下を呈したイヌ22頭(10-17歳)にテルミサルタン(0.3-1mg/kgSID)投与した。対象犬には、認知障害や沈うつ、旋回、ヘッドプレスなどの精神活動の変化を呈する個体も含んだ。評価は、飼い主の禀告および診察時の行動観察で行なった。
【結果】22頭のうち著効6例、改善13例、変化なし3例であった(改善率:86%)。改善例のほとんどは、性格が明るくなった、物事に対する反応が良くなった、瞬発力の回復、散歩距離の延長などが禀告で得られた。精神活動の変化を呈するイヌでは飼い主のコマンドが理解できるようになる、ボール遊びを要求する、後退運動が可能になる、旋回運動の消失、コミュニケーションの回復などの禀告が得られ、認知機能の回復と生活の質の改善が認められた。1mg/kgSIDの処方例で元気になりすぎ興奮して無駄吠えが多くなり休薬した個体があった。食欲不振1例、下痢1例、多飲多尿1例が認められたが内服量を加減する事で改善した。
【考察】テルミサルタンによるAT1受容体阻害は、AT1受容体を介する血管収縮を解除するのみならず、AT1受容体に相反するAT2受容体、AT4受容体、Mas受容体を介する作用を増強すると考えられる。これらの複合作用を介する微小循環改善は不全麻痺を回復し、また脳循環改善(脳間質液清浄化作用、血液脳関門保護作用)により精神活動の回復が得られたと考えられる。

微小循環 犬 イヌ サルコペニア フレイル アンジオテンシン ARB テルミサルタン セミントラ 四肢不全麻痺 超高齢ペット Glymphatic System The Nasalymphatic pathway PPARγ
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